第6章:フレームワーク一覧:文書構成系
6-1. 概要
文章には「型」がある。型を知っていれば、何を書くべきか迷わない。
この章では、文章の組み立て方の型を扱う。報告・説明系が「話す」ための型だとすれば、こちらは「書く」ための型である。
6-2. フレームワーク一覧
| 名前 | 構造・要素 | 用途 |
|---|---|---|
| OREO法(オレオほう) | Opinion(意見)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Opinion(意見) | 意見文、小論文 |
| PEEL法(ピールほう) | Point(主張)→ Evidence(証拠)→ Explain(説明)→ Link(繋げる) | 学術的論述 |
| TEEL法(ティールほう) | Topic(主題)→ Explain(説明)→ Evidence(証拠)→ Link(繋げる) | エッセイ、論文 |
| 双括型(そうかつがた) | 結論 → 本文 → 結論 | ビジネス文書 |
| 頭括型(とうかつがた) | 結論 → 本文 | 報告書 |
| 尾括型(びかつがた) | 本文 → 結論 | 物語的文書 |
6-3. 各フレームワークの詳細
OREO法
お菓子のオレオのように、意見でサンドイッチする構造。意見文の基本形。
| 要素 | 英語 | やること | 例 |
|---|---|---|---|
| O | Opinion | 意見を述べる | 「リモートワークを推進すべきだ」 |
| R | Reason | 理由を説明する | 「通勤時間の削減で生産性が上がるからだ」 |
| E | Example | 具体例を挙げる | 「実際、当社の試験導入では残業が20%減少した」 |
| O | Opinion | 意見を再度述べる | 「したがって、リモートワークを推進すべきである」 |
graph TD
A[O:意見] --> B[R:理由]
B --> C[E:具体例]
C --> D[O:意見]
PEEL法
学術的な論述に適した構造。証拠を示し、その意味を説明する。
| 要素 | 英語 | やること | 例 |
|---|---|---|---|
| P | Point | 主張を述べる | 「睡眠不足は判断力を低下させる」 |
| E | Evidence | 証拠を示す | 「○○大学の研究によると、6時間未満の睡眠で判断ミスが40%増加した」 |
| E | Explain | 証拠の意味を説明する | 「これは脳の前頭葉の機能低下が原因と考えられる」 |
| L | Link | 次に繋げる | 「この知見は、労働時間規制の議論にも示唆を与える」 |
sequenceDiagram
participant 読者
Note over 読者: P:主張を受け取る
Note over 読者: E:証拠を確認する
Note over 読者: E:意味を理解する
Note over 読者: L:次の話題へ繋がる
TEEL法
PEEL法と似ているが、主題(Topic)から始まる。エッセイ向け。
| 要素 | 英語 | やること | 例 |
|---|---|---|---|
| T | Topic | 主題を提示する | 「現代社会において、SNSは諸刃の剣である」 |
| E | Explain | 説明する | 「情報発信が容易になった一方、誹謗中傷も増加している」 |
| E | Evidence | 証拠を示す | 「総務省の調査では、SNS利用者の30%がトラブルを経験している」 |
| L | Link | 結論に繋げる | 「リテラシー教育の重要性がここにある」 |
括型(かつがた)シリーズ
結論をどこに置くかで3種類に分かれる。
graph TD
subgraph 双括型
A1[結論] --> B1[本文]
B1 --> C1[結論]
end
subgraph 頭括型
A2[結論] --> B2[本文]
end
subgraph 尾括型
B3[本文] --> C3[結論]
end
| 型 | 構造 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|---|
| 双括型 | 結論→本文→結論 | 結論を強調できる | ビジネス文書、提案書 |
| 頭括型 | 結論→本文 | 最も効率的 | 報告書、メール |
| 尾括型 | 本文→結論 | 読者を引き込む | 物語、スピーチ |
6-4. PREP法との違い
PREP法と文書構成系フレームワークは似ているが、用途が異なる。
| フレームワーク | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| PREP法 | 口頭報告、短い説明 | 話すための型 |
| OREO法 | 意見文、小論文 | 書くための型(意見重視) |
| PEEL法 | 学術論述 | 書くための型(証拠重視) |
6-5. 使い分けの基準
| 状況 | 推奨フレームワーク | 理由 |
|---|---|---|
| 意見を述べたい | OREO法 | 意見を明確に主張できる |
| 学術的に書きたい | PEEL法 | 証拠と説明のバランスが良い |
| エッセイを書きたい | TEEL法 | 主題から自然に展開できる |
| ビジネス文書 | 双括型 | 結論が強調される |
| 報告メール | 頭括型 | 効率的に伝わる |
| ストーリー性を持たせたい | 尾括型 | 読者を引き込める |
6-6. 文書構成の選択フロー
graph TD
A[文章を書く] --> B{意見を主張する?}
B -->|Yes| C{証拠が重要?}
B -->|No| D{結論を先に言う?}
C -->|Yes| E[PEEL法]
C -->|No| F[OREO法]
D -->|Yes| G{結論を繰り返す?}
D -->|No| H[尾括型]
G -->|Yes| I[双括型]
G -->|No| J[頭括型]
6-7. まとめ
文章の型を知れば、構成に迷わない。
- 意見を書く → OREO法
- 証拠を示す → PEEL法
- エッセイ → TEEL法
- 効率重視 → 頭括型
- 強調したい → 双括型
- 引き込みたい → 尾括型
型は制約ではなく、武器である。