付録A:用語集
A-1:中核概念
| 用語 | 片仮名読み | 平仮名読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| Fallversion | フォールベージョン | ふぉーるべーじょん | システムの運用者が設計意図を内部から侵食し、崩壊が長期残留する現象を記述する概念パイプライン。本定義書の中核概念 |
A-2:語源要素
| 用語 | 片仮名読み | 平仮名読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| Fallout | フォールアウト | ふぉーるあうと | 残留的崩壊。Fallversionの語源の一つ |
| Invasion | インベージョン | いんべーじょん | 内部侵食。Fallversionの語源の一つ |
A-3:内部構造区分
| 用語 | 片仮名読み | 平仮名読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| Main Pipeline | メイン・パイプライン | めいん・ぱいぷらいん | システム自体の崩壊過程を記述する内部構造。主語はシステム |
| Siphon Line | サイフォン・ライン | さいふぉん・らいん | Siphon(吸い上げ)に由来する。崩壊に乗じて運用者が価値を吸い上げる収奪過程を記述する内部構造。主語は運用者 |
| Normalization Line | ノーマライゼーション・ライン | のーまらいぜーしょん・らいん | Erosionによって風化した逸脱が「新しい正常」として制度・文化・言語に定着する認識の正常化過程を記述する内部構造。主語はシステム参加者全体 |
A-4:Main Pipeline要素
| 用語 | 片仮名読み | 平仮名読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| Immunity Collapse | イミュニティ・コラプス | いみゅにてぃ・こらぷす | システムの自己修復機能が運用者によって無効化される現象。第0段階 |
| Phantom Immunity | ファントム・イミュニティ | ふぁんとむ・いみゅにてぃ | Immunity Collapse完了後、免疫の外殻のみが残存し免疫が存在するかのように見える状態。Camouflageの最も強力な素材となる。第0段階下位構造 |
| Incubation Period | インキュベーション・ピリオド | いんきゅべーしょん・ぴりおど | Immunity Collapse完了後からJammer発火までの間、設計の慣性によりシステムが表面上健全に機能している期間。第0.5段階 |
| Jammer | ジャマー | じゃまー | 運用者が設計意図に逆行する起点行為。Fallversionの発火点。第1段階 |
| Pandemic | パンデミック | ぱんでみっく | Jammerによる逸脱がシステム内部に伝染的に拡大する過程。第2段階 |
| Erosion | エロージョン | えろーじょん | 設計意図が漸次的に風化する緩慢な崩壊過程。検知されないまま進行する。第2.5段階 |
| Divergence | ダイバージェンス | だいばーじぇんす | システムが本来の設計から多方向に分裂・乖離する現象。第3段階 |
| Segment | セグメント | せぐめんと | 分裂した各断片が孤立し、断片間の相互接続が失われる現象。Siphon Line S-3 Exhaustionの合流により確定する。第4段階 |
| Inversion | インバージョン | いんばーじょん | 設計意図と正反対の結果が発現する現象。手段と目的が逆転し、本来の目的が完全に失われる。第5段階 |
| Convergence | コンバージェンス | こんばーじぇんす | 分裂した各変異体が同一の崩壊パターンに収束する現象。第6段階 |
| Fallout | フォールアウト | ふぉーるあうと | システム消滅後も崩壊の影響が長期にわたり残留する汚染効果。内部にEchoとDesign Ghostを含む。残留段階 |
| Echo | エコー | えこー | Falloutが新たなJammerとして機能し崩壊サイクルが再起動する現象。自己参照型と相互参照型の二形態を持つ。再起動段階 |
| Design Ghost | デザイン・ゴースト | でざいん・ごーすと | 元の設計意図の断片がFallout内に亡霊として残留し、システム再建の動機となるが先天型Fallversionを再生産する現象。Fallout内部構造 |
A-5:Siphon Line要素
| 用語 | 片仮名読み | 平仮名読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| Appropriation | アプロプリエーション | あぷろぷりえーしょん | 風化したシステムから都合の良い部分を恣意的に切り取る行為。S-1 |
| Scavenging | スカベンジング | すかべんじんぐ | 分裂した断片から残存価値をさらに収奪する行為。S-2 |
| Exhaustion | エグゾースチョン | えぐぞーすちょん | 二度の収奪により断片の残存価値が完全に消失する状態。S-3 |
A-6:Normalization Line要素
| 用語 | 片仮名読み | 平仮名読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| Tolerance | トレランス | とれらんす | 逸脱への違和感が薄れ始める段階。N-1 |
| Acceptance | アクセプタンス | あくせぷたんす | 逸脱が「仕方ない」として処理される段階。N-2 |
| Integration | インテグレーション | いんてぐれーしょん | 逸脱が制度・言語・文化に組み込まれる段階。N-3 |
| Inversion of Standard | インバージョン・オブ・スタンダード | いんばーじょん・おぶ・すたんだーど | 元の設計意図を「古い」「非現実的」として否定する認識が定着する段階。N-4 |
A-7:並行作動要素
| 用語 | 片仮名読み | 平仮名読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| Camouflage | カモフラージュ | かもふらーじゅ | Fallversionの進行を正当な行為として隠蔽する機能。Main PipelineのImmunity CollapseからFalloutまで、Siphon Lineの全過程、Normalization LineのN-1からN-3まで並行して常時作動する |
| Acceleration Feedback | アクセラレーション・フィードバック | あくせられーしょん・ふぃーどばっく | Siphon Lineの収奪がMain Pipelineの進行速度を加速させ、加速した崩壊がさらなる収奪機会を生む正のフィードバックループ |
A-8:時間軸派生要素
| 用語 | 片仮名読み | 平仮名読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| Mutation | ミューテーション | みゅーてーしょん | 崩壊パターンが時代を超えて名称と形態を変えて再出現する現象。Divergenceから時間軸方向に派生する |
A-9:型分類
| 用語 | 片仮名読み | 平仮名読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| Standard | スタンダード | すたんだーど | 通常型。設計意図が存在し、運用開始後に運用者がそれを侵食する型 |
| Congenital | コンジェニタル | こんじぇにたる | 先天型。Immunity CollapseおよびJammerが設計段階から構造に組み込まれている型 |
A-10:インスタンス接続
| 用語 | 片仮名読み | 平仮名読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| Single | シングル | しんぐる | 単体接続。一つのシステム内で一つのFallversionインスタンスが走る形態 |
| Compound | コンパウンド | こんぱうんど | 複合接続。複数の独立したFallversionインスタンスが相互にFalloutを送受信し合い、個別サイクルを超えた複合崩壊構造を形成する形態 |
| Gear Effect | ギア・エフェクト | ぎあ・えふぇくと | 被害者がFalloutを次のサイクルのEchoとして伝達する構造的媒介として機能する現象。複合接続の環境下で顕在化する |
A-11:Echoの動作形態
| 用語 | 片仮名読み | 平仮名読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| 自己参照型Echo | ジコサンショウガタ・エコー | じこさんしょうがた・えこー | 自己のFalloutが自己のJammerとして再起動するEchoの動作形態 |
| 相互参照型Echo | ソウゴサンショウガタ・エコー | そうごさんしょうがた・えこー | 他のインスタンスのFalloutを自己のJammerとして受信する、または自己のFalloutが他のインスタンスのJammerとして送信されるEchoの動作形態 |
A-12:構造的特性
| 用語 | 片仮名読み | 平仮名読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| 内発性 | ナイハツセイ | ないはつせい | 崩壊の起点が内部の運用者自身にある性質 |
| 伝染性 | デンセンセイ | でんせんせい | 一箇所の逸脱がシステム全体に波及する性質 |
| 潜伏性 | センプクセイ | せんぷくせい | Immunity Collapse後からJammer発火までシステムが表面上健全に機能し続ける性質 |
| 三重性 | サンジュウセイ | さんじゅうせい | Main Pipeline・Siphon Line・Normalization Lineが同時並行で進行する性質 |
| 収奪性 | シュウダツセイ | しゅうだつせい | 崩壊の過程で運用者が価値を吸い上げ崩壊をさらに加速させる性質 |
| 正常化性 | セイジョウカセイ | せいじょうかせい | 逸脱が「新しい正常」として認識に定着する性質 |
| 残留性 | ザンリュウセイ | ざんりゅうせい | システム消滅後も崩壊の影響が継続する性質 |
| 二面残留性 | ニメンザンリュウセイ | にめんざんりゅうせい | Fallout内にEchoとDesign Ghostが相反する残留物として共存する性質 |
| 不可視性 | フカシセイ | ふかしせい | 運用者自身が崩壊への加担を自覚しない性質 |
| 反復性 | ハンプクセイ | はんぷくせい | 未解消のFalloutが存在する限り同一パターンが再発する性質 |
| 循環性 | ジュンカンセイ | じゅんかんせい | EchoによりFalloutが次のJammerとなり崩壊サイクルが永続する性質 |
| 変異性 | ヘンイセイ | へんいせい | 崩壊の同一性が外見の変化によって隠蔽される性質 |
| 複合性 | フクゴウセイ | ふくごうせい | 複数のFallversionインスタンスが相互参照型Echoにより接続され複合崩壊構造を形成する性質 |
| 歯車化性 | ハグルマカセイ | はぐるまかせい | 被害者がサイクルの構造的媒介として機能する性質 |
| 加速性 | カソクセイ | かそくせい | 収奪と崩壊がAcceleration Feedbackにより正のフィードバックループを形成し相互に加速する性質 |
| 先天性 | センテンセイ | せんてんせい | Immunity CollapseおよびJammerが設計段階から構造に組み込まれている性質 |
A-13:基礎用語
| 用語 | 片仮名読み | 平仮名読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| 設計意図 | セッケイイト | せっけいいと | システムの設計者が本来実現しようとした目的・機能・構造の総体 |
| 運用者 | ウンヨウシャ | うんようしゃ | システムの設計後にその運用・管理・実行を担う主体。設計者自身を含む場合がある |
| 自己修復機能 | ジコシュウフクキノウ | じこしゅうふくきのう | システムが設計意図からの逸脱を自律的に検知し修正する内蔵機構 |
| 崩壊サイクル | ホウカイサイクル | ほうかいさいくる | JammerからEchoまでの一連の進行過程が完了し、再びJammerへ回帰する循環構造 |
| 不可逆性 | フカギャクセイ | ふかぎゃくせい | 各段階の進行が逆行不可能である性質。一度進行した段階は元に戻らない |
| 解消 | カイショウ | かいしょう | Falloutの残留効果を構造的に分析・理解し、その影響を無効化する行為。崩壊サイクルの断絶に必要な唯一の介入点 |
| トリガー | ー | とりがー | Main Pipelineの特定段階がSiphon LineまたはNormalization Lineの対応段階を起動させる連動機構 |
| 合流 | ゴウリュウ | ごうりゅう | Siphon Lineの最終段階(Exhaustion)がMain Pipelineの特定段階(Segment)を確定させる接続点 |
| 加速 | カソク | かそく | Normalization Lineの最終段階(Inversion of Standard)がMain Pipelineの特定段階(Inversion)の確定を不可逆にする接続種別 |
| インスタンス | ー | いんすたんす | 一つのシステム上で走っている一つのFallversion実行単位。単体では一つ、複合では複数のインスタンスが同時に走る |