付録A — 用語集
A.1 独自用語
A.1.1 システム名称
| 用語 | 読み | 本来 | 意味 |
|---|---|---|---|
| EHAR | えふぁる | Emergent Hallucination Analysi-gence Roleの頭文字 | 本システムの正式名称。エマージェントハルシネーションを安全かつ再現可能な形で運用するためのシンクタンク型システム全体を指す |
| FORGE | ふぉーじ | Forge(英語:鍛冶場) | EHARの中核を成すパイプラインの名称。生の妄想を火で燃やし、叩いて形にし、使える武器に鍛え上げる一連の錬成プロセスを表す |
A.1.2 EHAR構成語
| 用語 | 読み | 本来 | 意味 |
|---|---|---|---|
| Emergent | えまーじぇんと | 英語:創発的な | 個々の要素の総和を超えた新しい性質や構造が自発的に生じること。EHARにおいては、複数のハルシネーション同士の衝突・交差から予測不能な知見が浮かび上がる現象を指す |
| Hallucination | はるしねーしょん | 英語:幻覚 | AIが事実に基づかない情報を生成する現象。EHARではこれをバグではなく創造的探索エンジンとして再定義する |
| Analysi-gence | あならいじぇんす | Analysis(分析)とIntelligence(知性)の造語 | 分析的知性。妄想を放置せず知的に濾過する仕組みを表す。生成されたハルシネーションを分析し、知的に評価・選別する能力を指す |
| Role | ろーる | 英語:役割 | 固定された機能ではなく、動的に割り当てられる役割。EHARが特定の機能に固定されず、状況に応じて任意のAIインスタンスが担える役割として設計されていることを示す |
A.1.3 FORGEパイプライン工程
| 用語 | 読み | 本来 | 意味 |
|---|---|---|---|
| インジェクション | いんじぇくしょん | Injection(英語:注入) | FORGEパイプラインの第1工程。入力された情報に対して文脈・前提条件・関連情報を注入する。種バンクからの再注入のエントリポイントでもある |
| パイロ | ぱいろ | Pyro(ギリシャ語由来:火) | FORGEパイプラインの第2工程。注入された情報を燃焼・熟成させ、ハルシネーションを爆発的に拡張する |
| バレット | ばれっと | Barrel(英語:銃身) | FORGEパイプラインの第3工程。パイロで生成された生のハルシネーションに構造と形を与え、使用可能な弾丸として加工する |
| ブレット | ぶれっと | Bullet(英語:弾丸) | FORGEパイプラインの第4工程。加工された弾丸に対してバイナリ枝切り判定を実行し、文脈に不要なものを解体して種バンクに格納する |
| ブリギッド | ぶりぎっど | Brigid(ケルト神話:鍛冶と火の女神) | FORGEパイプラインの第5工程。ブレットを通過したハルシネーションに対して五軸スコアリングを実施し、数値化・評価する |
A.1.4 スコアリング・評価
| 用語 | 読み | 本来 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 五軸スコアリング | ごじくすこありんぐ | — | ブリギッドで使用される評価体系。アフィニティ・コヒーレンス・ファンクション・インパクト・エクステントの五軸で、0から5.0の連続値によりハルシネーションを多面的に評価する |
| スコアプロファイル | すこあぷろふぁいる | — | 五軸スコアリングの結果を一つのセットとしてまとめたもの。ハルシネーションの性質を立体的に表現する |
| バイナリ枝切り | ばいなりえだきり | — | ブレット工程で実行される二値判定。「今の文脈に必要かどうか」のみを基準とし、必要/不要の二択で判定する |
A.1.5 保管・再利用
| 用語 | 読み | 本来 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 種バンク | たねばんく | 農業の種子保存(Seed Bank)に着想 | ブレットで枝切りされたハルシネーションを保管する永続的ストレージ。現在の文脈で不要でも将来の文脈で価値を持つ可能性を保全する |
| 解体 | かいたい | — | ブレットで文脈に不要と判断されたハルシネーションを、付帯情報とともに種バンクに格納可能な状態にする処理。破棄ではなく保管のための分解を指す |
| 再注入 | さいちゅうにゅう | — | 種バンクに格納されたハルシネーションをインジェクション工程からFORGEパイプラインに再投入すること。新しい文脈のもとで再評価される |
A.1.6 概念・思想
| 用語 | 読み | 本来 | 意味 |
|---|---|---|---|
| エマージェントハルシネーション | えまーじぇんとはるしねーしょん | Emergent Hallucination | EHARの核心概念。複数のハルシネーション同士の衝突・交差から、個々のハルシネーションの総和を超えた知見が創発的に浮かび上がる現象。「ハルシネーションを超えるハルシネーション」 |
| 資料型モジュラー設計 | しりょうがたもじゅらーせっけい | — | 資料そのものが実行可能なモジュールとして機能する設計思想。リンクを読ませるだけで任意のAIがシステムを稼働できるポータブルな設計 |
| 不可逆性 | ふかぎゃくせい | Irreversibility | 切り捨てられた情報が二度と取り戻せない性質。EHARではこの不可逆性を設計段階で排除することを基本思想とする |
A.2 既存用語
A.2.1 スコアリング軸
| 用語 | 読み | 本来 | 意味 |
|---|---|---|---|
| アフィニティ | あふぃにてぃ | Affinity(英語:親和性) | 五軸スコアリングの第1軸。現在の文脈にどの程度自然に馴染むかを評価する |
| コヒーレンス | こひーれんす | Coherence(英語:一貫性・整合性) | 五軸スコアリングの第2軸。現在の文脈と論理的に一貫しているかを評価する |
| ファンクション | ふぁんくしょん | Function(英語:機能・作用) | 五軸スコアリングの第3軸。実際に何かに対して機能・作用するかを評価する |
| インパクト | いんぱくと | Impact(英語:衝撃・影響) | 五軸スコアリングの第4軸。どれだけ強い印象や影響を与えるかを評価する |
| エクステント | えくすてんと | Extent(英語:程度・範囲・広がり) | 五軸スコアリングの第5軸。アイデアとしてどこまで広がり得るかを評価する |
A.2.2 AI・技術用語
| 用語 | 読み | 本来 | 意味 |
|---|---|---|---|
| ハルシネーション | はるしねーしょん | Hallucination(英語:幻覚) | AIが事実に基づかない情報を生成する現象。一般的にはAIの欠陥として扱われるが、EHARではこれを創造的探索エンジンとして活用する |
| コンテキストウィンドウ | こんてきすとうぃんどう | Context Window(英語:文脈窓) | AIモデルが一度に処理可能なトークン量の上限。EHARの運用においてはこの制約が設計上の考慮事項となる |
| インスタンス | いんすたんす | Instance(英語:実体・事例) | 個別に稼働するAIチャットセッション。EHARでは複数のインスタンスがそれぞれ独立した判断を行いながら協働する |
| トークン | とーくん | Token(英語:字句) | AIモデルがテキストを処理する際の最小単位。文字・単語・記号などがトークンとして分割される |
A.2.3 設計・構造用語
| 用語 | 読み | 本来 | 意味 |
|---|---|---|---|
| パイプライン | ぱいぷらいん | Pipeline(英語:管路・処理の連鎖) | データや処理が順序立てて流れる一連の工程。EHARにおいてはFORGEがこれに該当する |
| モジュラー | もじゅらー | Modular(英語:組み立て式の) | 独立した部品(モジュール)を組み合わせて全体を構成する設計手法 |
| バイナリ | ばいなり | Binary(英語:二値の) | 二つの値のみで構成される形式。EHARのブレット工程では必要/不要の二値判定として使用される |
| インジェクティブ | いんじぇくてぃぶ | Injective(英語:単射的な) | 外部から動的に情報や文脈を注入可能な性質 |