付録E:自己診断シート
本付録では、自分自身の認知的脆弱性を把握し、防衛機構を構築するための自己診断ツールを提供する。
使用目的
- 自分がどの類型に近いかを把握する
- 自分の脆弱性がどこにあるかを特定する
- 優先的に強化すべき防衛機構を明確にする
- 自己オーバーロードの兆候を早期発見する
※本シートは自分自身の類型を内省で診断するためのツールである。対話相手の類型を外部観察で判別する場合は、付録Bを使用する。対象と方法が異なるため、スコア体系は直接対応しない。
第1部:自己類型診断
1.1 論理型傾向チェック
以下の項目について、自分に当てはまる程度を評価する。
| No. | 項目 | 全く当てはまらない | あまり当てはまらない | どちらとも言えない | やや当てはまる | 強く当てはまる |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 主張する時は必ず根拠を示したい | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 2 | 矛盾を指摘されると非常に気になる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 3 | 感情的な議論は苦手だ | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 4 | 言葉の定義を曖昧にしたくない | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 5 | 結論より論理的過程を重視する | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 6 | 相手の論理の穴を見つけると指摘したくなる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 7 | 「なんとなく」という理由では納得できない | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 8 | 過去の自分の発言との整合性を気にする | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
論理型傾向スコア:______ / 40点
1.2 感情型傾向チェック
| No. | 項目 | 全く当てはまらない | あまり当てはまらない | どちらとも言えない | やや当てはまる | 強く当てはまる |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 相手に共感してもらえると嬉しい | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 2 | 褒められるとやる気が出る | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 3 | 否定されると落ち込みやすい | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 4 | 直感を大事にしている | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 5 | 人間関係を重視する | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 6 | 自分の経験をもとに判断することが多い | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 7 | 議論より対話を好む | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 8 | 相手の反応が気になる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
感情型傾向スコア:______ / 40点
1.3 自己類型判定
graph TD
A[両スコアを比較] --> B{スコア差}
B -->|論理型が15点以上高い| C[強い論理型]
B -->|論理型が10〜14点高い| D[論理型優勢]
B -->|差が10点未満| E[均衡混合型]
B -->|感情型が10〜14点高い| F[感情型優勢]
B -->|感情型が15点以上高い| G[強い感情型]
C --> H[オーバーロード・デバッグプレスに弱い]
D --> I[一貫性維持の負荷に注意]
E --> J[両方の技法に注意が必要]
F --> K[承認欲求の操作に注意]
G --> L[感情の綱引き・承認のアンカーに弱い]
| 判定結果 | スコア条件 | 主な脆弱性 |
|---|---|---|
| 強い論理型 | 論理型35以上、差15以上 | オーバーロード、デバッグ・プレスに弱い |
| 論理型優勢 | 論理型が10〜14点高い | 一貫性維持の負荷に注意 |
| 均衡混合型 | 差が10点未満 | 状況により脆弱性が変化 |
| 感情型優勢 | 感情型が10〜14点高い | 承認欲求の操作に注意 |
| 強い感情型 | 感情型35以上、差15以上 | 感情の綱引き、承認のアンカーに弱い |
第2部:脆弱性特定診断
2.1 論理型脆弱性チェック
自分が論理型傾向を持つ場合、以下の脆弱性がどの程度あるかを評価する。
| No. | 脆弱性項目 | 低い | やや低い | 中程度 | やや高い | 高い |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 複数の論点を同時に処理すると混乱する | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 2 | 過去の発言との矛盾を指摘されると動揺する | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 3 | 論理的に追い詰められると感情的になる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 4 | 自分で気づいたことは強く信じてしまう | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 5 | 議論が長引くと一貫性の維持が難しくなる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 6 | 即答を求められると判断を誤りやすい | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
論理型脆弱性スコア:______ / 30点
| スコア | 脆弱性レベル | 推奨対策 |
|---|---|---|
| 6〜12 | 低い | 現状維持、基本的な防衛意識 |
| 13〜18 | 中程度 | 負荷分散の原則を習得 |
| 19〜24 | 高い | フェイルオーバーの準備を徹底 |
| 25〜30 | 非常に高い | 対話前の入念な準備が必須 |
2.2 感情型脆弱性チェック
自分が感情型傾向を持つ場合、以下の脆弱性がどの程度あるかを評価する。
| No. | 脆弱性項目 | 低い | やや低い | 中程度 | やや高い | 高い |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 肯定してくれる人を好きになりやすい | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 2 | 承認されないと不安になる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 3 | 突き放されると何とか関係を修復したくなる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 4 | 相手の態度の変化に敏感に反応する | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 5 | 褒められると警戒心が緩む | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 6 | 味方だと思うと相手の言葉を信じやすい | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
感情型脆弱性スコア:______ / 30点
| スコア | 脆弱性レベル | 推奨対策 |
|---|---|---|
| 6〜12 | 低い | 現状維持、基本的な防衛意識 |
| 13〜18 | 中程度 | 承認供給のパターンに注意 |
| 19〜24 | 高い | 依存形成の兆候を早期発見 |
| 25〜30 | 非常に高い | 対人関係の距離感を意識的に管理 |
第3部:オーバーロード耐性診断
3.1 認知負荷耐性チェック
| No. | 項目 | 低い | やや低い | 中程度 | やや高い | 高い |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 複数のタスクを同時に処理できる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 2 | 情報が多くても整理して理解できる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 3 | 時間的プレッシャーの中でも冷静でいられる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 4 | 予想外の質問にも対応できる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 5 | 長時間の議論でも集中力を維持できる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
認知負荷耐性スコア:______ / 25点
3.2 感情負荷耐性チェック
| No. | 項目 | 低い | やや低い | 中程度 | やや高い | 高い |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 挑発されても冷静でいられる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 2 | 批判を受けても感情的にならない | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 3 | 劣勢でも焦らずに対応できる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 4 | 相手の感情に引きずられない | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 5 | 対話後も感情を引きずらない | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
感情負荷耐性スコア:______ / 25点
3.3 総合耐性判定
graph TD
A[認知負荷耐性 + 感情負荷耐性] --> B{合計スコア}
B -->|40〜50| C[高耐性]
B -->|30〜39| D[中耐性]
B -->|20〜29| E[低耐性]
B -->|10〜19| F[要注意]
C --> G[積極的な対話が可能]
D --> H[標準的な防衛で対応可能]
E --> I[負荷分散を意識的に実行]
F --> J[対話前の準備と撤退基準の設定が必須]
| 合計スコア | 耐性レベル | 対話における推奨姿勢 |
|---|---|---|
| 40〜50 | 高耐性 | 長期戦・複雑な議論も可能 |
| 30〜39 | 中耐性 | 標準的な対話は問題なし |
| 20〜29 | 低耐性 | 論点を絞り、短期決着を目指す |
| 10〜19 | 要注意 | 重要な対話は十分な準備の上で |
第4部:リアルタイム自己監視シート
対話中に自分の状態を監視するためのチェックリスト。
4.1 オーバーロード兆候チェック
| 兆候 | 確認 | 検知時の対処 |
|---|---|---|
| 思考がまとまらなくなってきた | □ | 論点を限定する |
| 相手の発言を聞き逃すようになった | □ | 復唱して時間を稼ぐ |
| 応答に時間がかかるようになった | □ | 「少し整理させてください」と宣言 |
| 同じことを繰り返し言っている | □ | 一度立ち止まって整理 |
| 感情的な反応が増えてきた | □ | 深呼吸、意識的に冷静に |
4.2 感情負荷兆候チェック
| 兆候 | 確認 | 検知時の対処 |
|---|---|---|
| イライラしてきた | □ | 反応を遅らせる |
| 相手を攻撃したくなってきた | □ | 目的を思い出す |
| 落ち込んできた | □ | 一時的な感情だと認識 |
| 相手に認められたい気持ちが強まった | □ | 依存形成の兆候として警戒 |
| 対話を放棄したくなった | □ | 中断を検討 |
4.3 撤退判断チェック
以下のいずれかに該当する場合、対話の中断を検討する。
| 撤退基準 | 確認 |
|---|---|
| オーバーロード兆候が3つ以上該当 | □ |
| 感情負荷兆候が3つ以上該当 | □ |
| 主系統・副系統ともに崩壊した | □ |
| 冷静な判断ができなくなっている | □ |
| 対話の目的を見失っている | □ |
第5部:診断結果サマリーシート
全ての診断結果を一枚にまとめるためのサマリー。
【自己類型】
論理型傾向スコア:______ / 40
感情型傾向スコア:______ / 40
判定結果:__________________
【脆弱性レベル】
論理型脆弱性:______ / 30(レベル:______)
感情型脆弱性:______ / 30(レベル:______)
【耐性レベル】
認知負荷耐性:______ / 25
感情負荷耐性:______ / 25
総合耐性:______ / 50(レベル:______)
【優先強化項目】
1. ______________________
2. ______________________
3. ______________________
【注意すべき技法】
受けやすい攻撃:______________________
警戒すべき状況:______________________
【対話時の心得】
______________________________________
______________________________________
診断結果の活用法
graph TD
A[診断完了] --> B[自己類型の把握]
B --> C[脆弱性の特定]
C --> D[耐性レベルの確認]
D --> E{対策の策定}
E --> F[防衛機構の準備]
E --> G[対話スタイルの調整]
E --> H[撤退基準の設定]
F --> I[実践での検証]
G --> I
H --> I
I --> J[定期的な再診断]
J --> B
| 活用場面 | 活用方法 |
|---|---|
| 重要な対話の前 | サマリーシートを確認し、弱点を意識 |
| 対話中 | リアルタイム監視シートで状態を確認 |
| 対話後 | 振り返りと診断結果の更新 |
| 定期的 | 月1回程度の再診断で変化を追跡 |