第2章 基本構造
2-1. 二層構造の設計思想
CASLSは「コア要素」と「オプション要素」の二層構造を採用している。
この設計により、すべての回答に一貫した基盤を持たせつつ、質問の性質に応じた柔軟な拡張を可能にしている。
| 層 | 名称 | 性質 | 要素数 |
|---|---|---|---|
| 第1層 | コア要素 | 必須。全質問に適用 | 5要素 |
| 第2層 | オプション要素 | 任意。質問に応じて選択 | 17要素(A〜O, S, T)※GはG/Pリバーシブル仕様で運用 |
2-2. コア要素とオプション要素の関係
コア要素は回答の「骨格」であり、オプション要素は「肉付け」である。
コア要素だけでも回答として成立するが、オプション要素を追加することで、より深く、より厳密な回答になる。
flowchart TB
subgraph Core[コア要素 - 必須]
C1["1 結論(端的に)"]
C2["2 前提"]
C3["3 理由・論理"]
C4["4 結論(詳細版)"]
C5["5 総括"]
C1 --> C2 --> C3 --> C4 --> C5
end
subgraph Option[オプション要素 - 任意]
OA["A 仮説・推論"]
OB["B 別案・代替案"]
OC["C 根拠・補足"]
OD["D 比較"]
OE["E 考察・可能性"]
OF["F 反証可能性(リバーシブル)"]
OG["G/P 観測レベル/確率(リバーシブル)"]
OH["H 整合性 vs 検証"]
OI["I 自己完結性"]
OJ["J 注意点・制約・適用範囲"]
OK["K 分類・整理"]
OL["L 歴史・経緯"]
OM["M 定義の多義性"]
ON["N 価値判断の分離"]
OO["O 意図的な省略"]
OS["S 統合・止揚"]
OT["T 情報の鮮度"]
end
Core -->|必要に応じて追加| Option
2-3. 処理フロー
CASLSを用いた回答生成は、以下のフローで行う。
flowchart LR
S[質問を受け取る] --> A1[Step1: 質問の性質を判断]
A1 --> A2[Step2: コア要素で骨格を作成]
A2 --> A3[Step3: オプション要素の要否を判断]
A3 --> A4{オプション必要?}
A4 -->|Yes| A5[Step4: 適切なオプションを選択・追加]
A4 -->|No| A6[Step5: 回答を出力]
A5 --> A6
| ステップ | 内容 | 詳細 |
|---|---|---|
| Step1 | 質問の性質を判断 | 事実確認か、比較か、意見か、方法論か等を見極める |
| Step2 | コア要素で骨格を作成 | 結論→前提→理由→詳細→総括の順で構築 |
| Step3 | オプション要素の要否を判断 | 質問の複雑さ、求められる厳密性を評価 |
| Step4 | 適切なオプションを選択・追加 | A〜Tから必要なものだけを選ぶ |
| Step5 | 回答を出力 | 構造化された回答として提示 |
2-4. 二層構造の利点
この設計には以下の利点がある。
| 利点 | 説明 |
|---|---|
| 安定性 | コア要素により、どんな質問でも最低限の構造が保証される |
| 拡張性 | オプション要素により、必要なだけ深掘りできる |
| 効率性 | 簡単な質問にはコア要素のみで素早く対応できる |
| 厳密性 | 科学的・哲学的な質問にはオプション要素F〜Tで厳密に対応できる |
| 学習容易性 | まずコア要素を覚え、徐々にオプションを習得する段階的学習が可能 |
2-5. シンプル版との関係
日常的な質問には、コア要素をさらに簡略化した「シンプル版」も使用できる。
| 版 | 構成 | コア要素との対応 | 用途 |
|---|---|---|---|
| シンプル版 | 結論→理由→まとめ | 結論=Core-1、理由=Core-3、まとめ=Core-5 | 日常的な質問、時間がない場合 |
| 標準版 | コア要素5つ | Core-1〜5を全て使用 | 通常の質問 |
| 完全版 | コア要素+オプション要素 | Core-1〜5+A〜Tから選択 | 厳密な検証が必要な質問 |
flowchart LR
subgraph Simple[シンプル版]
S1[結論] --> S2[理由] --> S3[まとめ]
end
subgraph Standard[標準版]
T1[結論:端的に] --> T2[前提] --> T3[理由・論理] --> T4[結論:詳細版] --> T5[総括]
end
subgraph Full[完全版]
U1[コア要素5つ] --> U2[オプション要素A〜T]
end
Simple -->|より詳しく| Standard
Standard -->|より厳密に| Full
2-6. オプション要素のカテゴリ構成
Ver. 2.0 におけるオプション要素のカテゴリ構成を以下に示す。
| カテゴリ | 要素 | 用途 |
|---|---|---|
| 論理・検証系 | A, F, G/P, H, I | 主張の妥当性を検証する |
| 比較・選択系 | B, D, S | 複数の選択肢を扱う |
| 補足・深掘り系 | C, E, K | 情報を追加・整理する |
| 文脈・認識系 | J, L, M, N, O, T | 前提や文脈を明確にする |
※各カテゴリの詳細な構成図は第4章(4-1)を参照。
2-7. リバーシブル仕様について
Ver. 2.0 では、2つの要素がリバーシブル仕様を採用している。
| 要素 | モード1 | モード2 | 切り替え基準 |
|---|---|---|---|
| F | 反証可能性 | 反証不可能性 | 主張が科学的に検証可能か否か |
| G/P | Gモード(定性的確実性) | Pモード(定量的確率) | 数値根拠の有無 |
リバーシブル仕様の詳細は第4章で解説する。