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CASLS 回答構造工学マニュアル

あらゆる問いに答える者のための設計図

付録C 用語集

C-1. 本付録の目的

本付録では、CASLSで使用する用語を整理し、定義を示す。英語表記の用語はアルファベット順、日本語表記の用語は五十音順に配置している。

C-2. 用語一覧

C-2-1. 英字用語(アルファベット順)

用語 読み方 意味
Answer あんさー 回答。CASLSのAは本システムが生成する対象を指す
CASLS かしるす Core Answer Segment Layer System。本フレームワークの名称
Core こあ 核心。CASLSのCは必ず含む基本構造を指す
Gモード じーもーど G/P要素における定性的な確実性表現モード。Lv.1〜4で示す
Layer れいやー 層。CASLSのLはコア層とオプション層の階層構造を指す
MECE みーしー Mutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの略。漏れなく重複なく分類すること
Omission おみっしょん オプション要素O。意図的な省略の明示
Pモード ぴーもーど G/P要素における定量的な確率表現モード。数値(%)で示す
Segment せぐめんと 区分。CASLSのSは回答を明確な要素に分割する設計思想を指す
Synthesis しんせしす オプション要素S。統合・止揚。複数の選択肢を統合して新しい案を創出すること
System しすてむ 体系。CASLSの末尾のSは統合されたフレームワーク全体を指す
Time-sensitivity たいむせんしてぃびてぃ オプション要素T。情報の鮮度・耐用期間の明示

C-2-2. 日本語用語(五十音順)

用語 読み方 意味
アウフヘーベン あうふへーべん 止揚。対立する概念を高次の段階で統合すること。S要素の哲学的背景
一次情報 いちじじょうほう 実験データ、公式統計、原典など、オリジナルの情報源。信頼度が最も高い
因果関係 いんがかんけい 原因と結果の関係。「AだからB」という論理展開
演繹 えんえき 一般法則から具体的な結論を導く論理展開。例:「哺乳類は肺呼吸する→犬は哺乳類→犬は肺呼吸する」
オプション要素 おぷしょんようそ CASLSの第2層。質問の性質に応じて選択的に使用する17の要素(A〜T)
価値判断 かちはんだん 「〜すべき」「〜が良い」という規範的・評価的な判断。事実とは区別される
価値判断の分離 かちはんだんのぶんり オプション要素N。事実(is)と当為(ought)を区別すること
仮説・推論 かせつすいろん オプション要素A。まだ確定していない推測や可能性
間接観測 かんせつかんそく 痕跡や影響から推測すること。観測レベルではLv.3に相当。例:ブラックホール、恐竜の姿
観測・検証のレベル かんそくけんしょうのれべる 主張がどの程度確かめられたかの段階。直接観測・間接観測・理論的整合性・単なる推論の4段階
完全版 かんぜんばん CASLSのコア要素+オプション要素を使用する版。厳密な検証が必要な場合に使用
疑似科学 ぎじかがく 科学的に見えるが、反証可能性がないなど科学の基準を満たさない主張
帰納 きのう 具体的な事例から一般法則を導く論理展開。例:「A社もB社も成功した→この手法は有効である」
境界条件 きょうかいじょうけん 主張や法則が成り立つ範囲の限界となる条件
偽の精度 ぎのせいど 根拠なく数値を示すことで、実際以上の確実性があるように見せかけること。Pモード使用時の注意点
権威への訴え けんいへのうったえ 「偉い人が言ったから正しい」という形の、論理的でない論証
検証 けんしょう 実験、観測、測定などで実際に確かめること。整合性とは異なる
結論(端的に) けつろんたんてきに コア要素の1番目。質問への直接的な答え。YES/NOまたは核心を1〜2文で提示
結論(詳細版) けつろんしょうさいばん コア要素の4番目。前提と理由を踏まえた、より具体的で詳しい答え
考察・可能性 こうさつかのうせい オプション要素E。事実を超えた発展的思考。「将来的には〜」「別の見方をすれば〜」など
コア要素 こあようそ CASLSの第1層。全ての質問に適用する5つの必須要素(結論・前提・理由・詳細・総括)
根拠・補足 こんきょほそく オプション要素C。主張を裏付けるデータ、出典、事例、または追加の背景情報
三次情報 さんじじょうほう 百科事典、教科書、まとめ記事など、二次情報をさらにまとめた情報。信頼度は中程度
事実 じじつ 客観的に確認できる「〜である」という記述。価値判断(〜すべき)とは区別される
自己完結性 じこかんけつせい オプション要素I。主張や体系が外部に依存せず、内部だけで矛盾なく成立しているか
質問タイプ しつもんたいぷ 質問の性質による分類。事実確認・説明・比較・意見・方法・科学的検証・理論評価・倫理・政策・予測・リスク評価・複合・その他の10種
消去法 しょうきょほう 他の選択肢を排除することで結論を導く論理展開。「AでもBでもない→よってC」
省略 しょうりゃく 情報を意図的に含めないこと。O要素で明示する
情報の鮮度 じょうほうのせんど 情報がいつまで有効かという時間的な寿命。T要素で明示する
シンプル版 しんぷるばん CASLSの簡略版。結論→理由→まとめの3ステップ。日常的な質問や急ぎの場合に使用
循環論法 じゅんかんろんぽう AだからB、BだからAという形で、結論を前提として使ってしまう誤った論証
推論 すいろん 既知の情報から未知の結論を導くこと。仮説段階であり、検証とは異なる
整合性 せいごうせい 主張が矛盾なく説明できること(つじつまが合うこと)。検証されたこととは異なる
整合性 vs 検証 せいごうせいたいけんしょう オプション要素H。「説明できる」と「実証された」を区別する観点
前提 ぜんてい コア要素の2番目。議論の土台となる状況、条件、定義、文脈
総括 そうかつ コア要素の5番目。全体を俯瞰した要点整理、示唆、または次のステップ
耐用期間 たいようきかん 情報が有効である期間。T要素で明示する
注意点・制約・適用範囲 ちゅういてんせいやくてきようはんい オプション要素J。リスク、限界、前提条件、やってはいけないこと、有効な範囲
直接観測 ちょくせつかんそく 実際に目で見た、直接測定したこと。観測レベルの中で最も確実性が高い(Lv.4)
定義の多義性 ていぎのたぎせい オプション要素M。同じ言葉が複数の意味で使われる場合の整理
当為 とうい 「〜すべき」という規範的な主張。事実(〜である)とは区別される
統合 とうごう 複数の要素を組み合わせて新しいものを作ること。S要素の機能
二次情報 にじじょうほう 学術論文、専門書、報道など、一次情報を分析・解釈した情報。信頼度は中〜高
二層構造 にそうこうぞう CASLSの基本設計。コア要素(必須)とオプション要素(任意)の2層から成る
反証可能性 はんしょうかのうせい オプション要素Fの一面。主張が「間違っている」と証明できる条件が存在すること
反証不可能性 はんしょうふかのうせい オプション要素Fの一面。どんな証拠があっても否定できない主張の性質。疑似科学の特徴
比較 ひかく オプション要素D。複数の対象の特徴を並べ、相違点や類似点を明示すること
標準版 ひょうじゅんばん CASLSのコア要素5つを使用する版。通常の質問に使用
ヒュームのギロチン ひゅーむのぎろちん 事実(〜である)から当為(〜すべき)を直接導くことはできないという哲学的原則
分類・整理 ぶんるいせいり オプション要素K。複雑な情報をカテゴリー分けして構造化すること
併用モード へいようもーど G/P要素でGモードとPモードを同時に使用すること。「Lv.3、約80%」のように表現
別案・代替案 べつあんだいたいあん オプション要素B。メインの結論以外の選択肢や異なるアプローチ
理由・論理 りゆうろんり コア要素の3番目。なぜその結論に至るのかの思考プロセス、因果関係や論理的つながり
理論的整合性 りろんてきせいごうせい 既存の理論と矛盾しないこと。観測レベルではLv.2に相当
リバーシブル仕様 りばーしぶるしよう 1つの要素が2つのモードを持ち、状況に応じて切り替える設計。F要素とG/P要素が該当
類推 るいすい 似た事例からの推論。「過去の類似事例では〜だったので、今回も〜だろう」
歴史・経緯 れきしけいい オプション要素L。概念・問題がどう発展してきたかの説明
論理の飛躍 ろんりのひやく AからBへの繋がりが不明確なまま結論に至ること

C-3. オプション要素早見表

記号 名称 カテゴリ リバーシブル
A 仮説・推論 論理・検証系
B 別案・代替案 比較・選択系
C 根拠・補足 補足・深掘り系
D 比較 比較・選択系
E 考察・可能性 補足・深掘り系
F 反証可能性/反証不可能性 論理・検証系
G/P 観測・検証のレベル/確率・尤度 論理・検証系
H 整合性 vs 検証 論理・検証系
I 自己完結性 論理・検証系
J 注意点・制約・適用範囲 文脈・認識系
K 分類・整理 補足・深掘り系
L 歴史・経緯 文脈・認識系
M 定義の多義性 文脈・認識系
N 価値判断の分離 文脈・認識系
O 意図的な省略 文脈・認識系
S 統合・止揚 比較・選択系
T 情報の鮮度・耐用期間 文脈・認識系

C-4. 観測・検証レベル早見表(Gモード)

レベル 名称 確実性
Lv.4 直接観測 最も高い 実験結果、統計データ
Lv.3 間接観測 高い ブラックホール、恐竜の姿
Lv.2 理論的整合性 中程度 理論からの予測
Lv.1 単なる推論 低い 思考実験、アイデア

C-5. 確率表現早見表(Pモード)

確率帯 表現 用途
95%以上 ほぼ確実 高信頼度の予測
70-95% 可能性が高い 有力な推測
40-70% 五分五分〜やや優勢 不確実な予測
40%未満 可能性は低い 低確率だが無視できない

C-6. リバーシブル仕様早見表

要素 モード1 モード2 切り替え基準
F 反証可能性 反証不可能性 主張が科学的に検証可能か否か
G/P Gモード(定性的確実性) Pモード(定量的確率) 数値根拠の有無

C-7. コア要素早見表

No. 要素名 役割 キーワード
1 結論(端的に) 質問への直接的な答え まず答える
2 前提 議論の土台を明確にする 条件を揃える
3 理由・論理 なぜその結論かを説明 納得させる
4 結論(詳細版) 具体的で実践的な答え 使えるようにする
5 総括 全体を俯瞰して締める 持ち帰りを明確に

C-8. 版の種類早見表

構成 用途
シンプル版 結論→理由→まとめ 日常的な質問、時間がない場合
標準版 コア要素5つ 通常の質問
完全版 コア要素 + オプション要素 厳密な検証が必要な質問

C-9. 情報の鮮度早見表(T要素)

耐用期間 説明
数日〜数週間 非常に変化が速い 為替レート、株価、天気予報
数ヶ月 頻繁に更新される ソフトウェアのバージョン、法改正の動向
1〜2年 比較的安定だが変化あり IT技術のベストプラクティス、統計データ
数年以上 長期間有効 基礎理論、歴史的事実、物理法則
普遍 変化しない 数学的真理、論理法則

C-10. 根拠の信頼度早見表(C要素)

種類 説明 信頼度
一次情報 実験データ、公式統計、原典
二次情報 学術論文、専門書、報道 中〜高
三次情報 百科事典、教科書、まとめ記事
個人の経験 体験談、観察 低〜中

C-11. 論理展開パターン早見表

パターン 説明
因果関係 AだからB 「需要が増えたため、価格が上昇した」
演繹 一般法則→具体例 「哺乳類は肺呼吸する。犬は哺乳類。よって犬は肺呼吸する」
帰納 具体例→一般化 「A社もB社もC社も成功した。よってこの手法は有効である」
類推 似た事例からの推論 「過去の類似事例では〜だったので、今回も〜だろう」
消去法 他の選択肢を排除 「AでもBでもない。よってCである」